悲劇

オイディプス王

みなさんは、なんとも嫌な経験をしたことはありますか。私は、中学生のころ、塾でテストを受けているときにシーンとした教室で「ぷぅ」とおならの音が響いたのを覚えています。

 

大なり小なり、「悲劇だ!」と感じた経験はあると思いますが、オイディプス王の悲劇に比べると、全てが小さく感じられるのではないでしょうか。

 

齋藤孝さんの『読書する者だけがたどり着ける場所』で紹介されていた本です。

紀元前にソポクレスによって書かれたもので、「悲劇」と呼ばれるように劇の形になっています。

 

主人公のオイディプスは、神のお告げである「実の父親を殺し、母親と結婚するだろう」という予言を恐れて、遠くの国へ逃れようとします。

道中で、通りすがりの一行と争いとなり、オイディプスはその男たちを殺してしまいます。

そして、たどり着いた国で怪物を倒し英雄となったオイディプスは、国王を失った妃と結婚し、オイディプス王となります。

 

ここまでだと、何の悲劇でもないようですが、もうすでに悲劇の連続となっていたのです。

オイディプス王はこの後、自ら朽ち果てていきます。その様子は、現代のホラーやミステリーなどとはまた違う恐ろしさを感じる書きぶりでした。